思い出の「オールドレンズ」

9月になりましたが、残暑で暑い日が続いています。
夏バテなどしていらっしゃいませんでしょうか?

今日は(株)メモリーズからのお知らせではなく、「オールドレンズ」のお話をしたいと思います。

オールドレンズとは昔のフィルム式カメラ用の古いレンズのことです。

「メモリーズ思い出アルバム」では懐かしい写真やアルバムをデジタル化して蘇らせるお手伝いをしていますが、その何十年も前の写真を撮影したカメラはどうなっているでしょうか? とっくに処分してしまったり、良くても押入れや物置の隅でほこりをかぶっているのではないでしょうか…。

写真機本体は故障してシャッターが切れなくなってしまっているかもしれませんし、今では写真フィルムが入手や現像が困難になってしまいましたので、使いようがないとあきらめてしまいがちですね。

でもそのカメラが「一眼レフ」などのレンズ交換式のカメラなら、レンズだけは使うことができます。

1970年代の50mm標準レンズ

それは近年各社から発売されている「ミラーレス一眼」というデジタルカメラのおかげです。最新式のデジカメに古いレンズを装着してデジタルで写真を撮ることができるのです。フィルムではなく超高画素のデジタル式のセンサーで撮影するため、仕上がりはとてもきれいです。

代表的なミラーレス一眼カメラ:ウィキペディア)

※ただしあまりにもカビや曇りがひどいレンズは撮影に向きません。また「ミラーレス」ではない「一眼レフ」のデジカメは構造上の問題でオールドレンズが使えないことが多いのでご注意ください。

ミラーレス一眼では様々なレンズを取り替えて使うことができます。ボディ(本体)とレンズのメーカーが違っても大丈夫です。

ボディとレンズの規格の違いは、適切な「マウントアダプター」を挟み込むことで吸収します。これでどんなメーカーのレンズでも組み合わせることができるのです。

中央がマウントアダプター

マウントアダプター:Amazon)

古いレンズなので絞りやピントは手動で合わせなくてはいけませんが、それは写真撮影の醍醐味ですし、今どきのデジカメは仕上がりの画像がファインダーやモニターにリアルタイムに表示されるので、失敗の危険はありません。

私はボディはSONYの初代α7を使っています。撮像センサーが35mmでフィルムと同じサイズなのでレンズの倍率(画角)が変わりません。レンズ遊びにはちょうどいいです。

※デジカメの撮像センサーの大きさは、4/3、APS-C、1インチなどさまざまなものがあります。コンパクトカメラに多い小さいセンサーのカメラでは35mmフルサイズより望遠になります。

古いレンズは自宅のものの他にも、中古カメラ店やリサイクルショップで購入することもできます。ライカやツァイスなどの歴史的な「銘玉」も使えます(高価ですが…)。でも安いレンズも多く売っていて、気軽に楽しむことができます。

この仏像の写真は、1980年発売の古いレンズを使っています。(smc PENTAX M ZOOM 1 : 2.8-4 40-80mm)

「源昌寺 聖観音座像」(びわ湖長浜観音ハウス

40年も前のレンズなので性能は良くありませんが、なんだか味がありますね。私は70年代の標準レンズとマクロレンズも使っています。(SMC TAKUMAR 1 : 1.4 / 50 と Super-Multi-Coated Macro TAKUMAR 1 : 4 / 50)

上野公園にある「びわ湖長浜観音ハウス」は写真撮影可でした

PENTAXのレンズは安いので、入門用に最適なのです。

もし押入れに古い一眼レフカメラや交換レンズが眠っていたら、こんなふうに復活させてみてはいかがでしょうか? レンズの向こうに昔の懐かしい風景がよみがえってくるかもしれません。

※オールドレンズを試してみたい方は以下の本をおすすめします。とても分かりやすくていねいに解説してあります。
「オールドレンズの新しい教科書」技術評論社刊)

上野 不忍池
不忍池弁天堂